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尋常性乾癬

尋常性乾癬

尋常性乾癬とは

乾癬(かんせん)は鱗屑(りんせつ)というフケのようなものがついた少し盛り上がった紅斑ができる病気です。
全身に出ますが、特に髪の生え際、ひじ、ひざなどの刺激の受けやすい部位にできる傾向があります。
乾癬は他の人にうつる病気ではありませんので、温泉やプールなどで他の人に感染するということはありません。
関節症性乾癬といって関節炎を伴ったり爪の変形を伴うこともあります。

原因

乾癬の明らかな原因は分かっていませんが、複数の遺伝子とメタボリックシンドロームなどの要因も関与して発症すると考えられています。
tumor necrosis factor(TNF)や IL-17、IL-22、IL 23などのサイトカインにより皮膚に炎症を繰り返し慢性化します。
薬剤の内服が誘因となって乾癬を発症することもあります。

尋常性乾癬の治療

ステロイドの塗り薬と、ビタミンD3の塗り薬の外用療法とエキシマライト治療(エキシマ光線療法)ナローバンドUVB療法を、 1週間に1回から2回程度の間隔で行います。
これらの治療でも効果不十分な場合には、内服療法や生物学的製剤による治療を考慮します。

内服療法

チガソン(一般名:エトレチナート)等のビタミンA誘導体、またはオテズラ(一般名:アプレミラスト)の内服を行います。

生物学的製剤

上記の治療のほかに、TNF-α、IL-23、IL-17などのサイトカインを抑える生物学的製剤の注射の治療が現在可能ですが、 当院では行っておりませんので、大学病院などに紹介させて頂きます。
生物学的製剤による治療を行うには、定期的な採血や胸部レントゲンや胸部CTなどの検査が必要です。
薬剤費が高額となるため、高額療養費制度が適用となります。

エキシマライト治療(エキシマ光線療法)

当院では、ターゲットのエキシマライト光線療法機器である、セラビーム UV308 miniを導入しています。
紅斑の生じやすい短波長をカットする光学フィルターを搭載し、紫外線のUVBのうち、 より治療効果が高い波長領域の308nmの紫外線のエキシマライトを照射します。

掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎などに保険適用があります。
尋常性白斑、尋常性乾癬の限局性難治性皮疹、掌蹠膿疱症に対する高い有効性が報告されています。

円形脱毛症に関しても、すべての病型に対してエキシマライト治療を行うことができます。
アトピー性皮膚炎に伴う痒疹にも効果があります。

ナローバンドUVB療法

当院では、全身の半面を照射する半身型のナローバンドUVB 照射機器のJTRACを導入しています。
ナローバンドUVB療法では、広範囲の照射をしやすいのですが、半身型のJTRACでは部分照射も可能です。また、当院ではさらに限局した範囲の照射には、ターゲットのエキシマライト光線療法機器であるセラビーム UV308 miniを用いています。

ナローバンドUVB療法では、308-311nmの紫外線を選択的に照射し、免疫反応や細胞増殖を抑えることでアトピー性皮膚炎や白斑、乾癬、掌蹠膿疱症、円形脱毛症などの皮膚疾患を治療します。

保険適用で、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉症、 悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、 アトピー性皮膚炎、円形脱毛症の治療に使用することが可能です。

照射に伴う痛み、熱感などはなく、1週間に1回程度間隔で照射を行い、 適度な赤みが出るまで少しずつ照射量を増量していきます。

尋常性乾癬の内服薬(オテズラ/アプレミラスト)

2017年3月に発売されたサイクリックAMP特異的 phosphodiesterase 4(PDE4)をおさえるのみ薬です。
細胞内のサイクリックAMPの濃度を上昇させ炎症を抑え乾癬の症状を抑えられます。
副作用としては8割ほどで悪心や下痢等の消化器症状が出るのと、3割程度に頭痛が認められます。
そのほとんどは飲み始めてから2週間以内に現れ、4週間以内におさまります。
最初の2週間は、2週間分のお薬が入っている「スターターパック」に従って、少しずつ薬の量を増やし、吐き気や下痢、頭痛などの副作用の発現を抑えます。
患者負担割合が3割の方で、薬代が毎月16,632円になります。

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