掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)では、手のひらと足の裏にウミを持った膿疱ができ、良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返します。水虫の合併を疑う時は、顕微鏡の真菌検査を行います。約10%の患者さんでは胸鎖肋関節(鎖骨や胸の中央の骨)が腫れたり痛くなることがあります。
扁桃腺や歯、鼻などに細菌による感染があると、掌蹠膿疱症が生じることがあります。
金属に対するアレルギーで掌蹠膿疱症になることもありますので、金属アレルギーが疑われる場合は、 金属パッチテストを行います。
また、喫煙をしている方に掌蹠膿疱症が発症することが多いため、禁煙をおすすめしています。
ステロイドや活性型ビタミンD3製剤の外用療法のほかに、エキシマライト治療またはナローバンドUVBの紫外線療法を行っております。
生物学的製剤による注射の治療をご希望の場合には、大学病院などへの紹介となります。
当院では、ターゲットのエキシマライト光線療法機器である、セラビーム UV308 miniを導入しています。
紅斑の生じやすい短波長をカットする光学フィルターを搭載し、紫外線のUVBのうち、 より治療効果が高い波長領域の308nmの紫外線のエキシマライトを照射します。
掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎などに保険適用があります。
尋常性白斑、尋常性乾癬の限局性難治性皮疹、掌蹠膿疱症に対する高い有効性が報告されています。
円形脱毛症に関しても、すべての病型に対してエキシマライト治療を行うことができます。
アトピー性皮膚炎に伴う痒疹にも効果があります。
当院では、全身の半面を照射する半身型のナローバンドUVB 照射機器のJTRACを導入しています。
ナローバンドUVB療法では、広範囲の照射をしやすいのですが、半身型のJTRACでは部分照射も可能です。また、当院ではさらに限局した範囲の照射には、ターゲットのエキシマライト光線療法機器であるセラビーム UV308 miniを用いています。
ナローバンドUVB療法では、308-311nmの紫外線を選択的に照射し、免疫反応や細胞増殖を抑えることでアトピー性皮膚炎や白斑、乾癬、掌蹠膿疱症、円形脱毛症などの皮膚疾患を治療します。
保険適用で、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉症、 悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、 アトピー性皮膚炎、円形脱毛症の治療に使用することが可能です。
照射に伴う痛み、熱感などはなく、1週間に1回程度間隔で照射を行い、 適度な赤みが出るまで少しずつ照射量を増量していきます。
IL-23の働きを抑えることにより、掌蹠膿疱症の症状を引き起こすIL-17の放出を減らす、生物学的製剤のトレムフィアによる治療も現在可能になりました。(当院では行っておりません)
高額ではありますが、皮疹が広範囲で重症であったり、胸鎖肋関節(鎖骨や胸の中央の骨)が腫れたり痛む等の症状がある場合は、大学病院などをご紹介します。