爪が過度に曲がった状態のことを巻き爪といいます。
巻き爪は一般に炎症を伴いませんが、陥入爪を合併して炎症を伴う場合もあります。
爪の水虫があると、爪の角質が増殖して爪が上へ圧排された結果、巻き爪となることがあります。 その場合はまず、水虫の治療が必要となります。
明らかに基礎疾患がない場合でも、巻き爪は発生します。
なぜ爪が曲がるのか原因は不明ですが、 先が狭い靴やハイヒールをはいて爪が横からの圧迫されたり、 何らかの原因で、歩行時に母趾へ十分な力がかからない場合に巻き爪が発症すると考えられています。
治療法は、「巻き爪(まきづめ)の治療」をご覧ください。
爪の端を短く切りすぎると、爪の先端が側爪郭に食い込んで爪が軟部組織である側爪郭を傷つけて、 炎症を起こし陥入爪が発症します。
巻き爪がある場合や、爪の幅が広い場合に陥入爪は発症しやすくなります。
治療法は、「陥入爪(かんにゅうそう)の治療」をご覧ください。
巻き爪(まきづめ)の治療としては、弾性ワイヤー法とまき爪クリップによる治療を行っております。
弾性ワイヤー法は爪に穴をあけて、形状記憶合金のワイヤーを爪に入れて、 医療用のアロンアルファで固定して爪をまっすぐの形に矯正していきます。
爪の状態にもよりますが、受診当日に処置をすることも可能です。
巻き爪クリップによる矯正の指導も行っております。
爪の先端2カ所に
小さな穴を開け、
弾性ワイヤーを
開けた穴に通し、
曲がった爪をまっすぐに
矯正していきます。
弾性ワイヤーは医療用アロンアルファで固定します。
弾性ワイヤーはニッケルとチタンの合金で、強い弾性力があります。
この弾性力を利用して曲がった爪が矯正されます。
最初は細めのワイヤーを使って、少しずつ太いものに変更します。
弾性ワイヤーを入れた後は、ワイヤーが爪の先端に来るまで1カ月半から3カ月入れたままにしておきます。
弾性ワイヤーを外してしばらくすると巻き爪が再発してきます。
その場合は、弾性ワイヤーによる治療を再開します。
爪の先にワイヤーを入れる為、爪を短く切ってしまっている場合は、爪が伸びるまで待つ必要があります。
銅・アルミ・マンガンから成る形状記憶合金でできており、 サイズは、S:14.5mm、M:16.5mm、L:18.5mmの3種類があります。
治療の原理は、弾性ワイヤー法と同じですが、自分で着脱可能です。
まき爪クリップの両端にあるフックで爪先をはさむだけで装着できます。
まき爪クリップの形状記憶合金の元に戻ろうとする力で、 爪が広がるまでずっと力を加え続けることができます。
クリップが外れないように、上からテープで固定します。
爪の先にクリップを入れる為、爪を短く切ってしまっている場合は、爪が伸びるまで待つ必要があります。
陥入爪(かんにゅうそう)の治療としては、ガター法とフェノール法(手術)を行っております。
ガター法では爪と爪郭の間にチューブを入れて、そのチューブを医療用アロンアルファで固定します。
どうしても難治な陥入爪には、局所麻酔下で食い込んでいる爪の幅2~3mmぐらいを先端から爪の付け根まで切除するフェノール法による手術を行うことも可能です。
爪と爪郭の間にチューブを入れて、そのチューブを医療用アロンアルファで固定します。
爪郭の炎症が改善し痛みはなくなります。 爪が伸びて食い込むことがなくなるまでチューブは入れたままとします。
腫れが引いて痛みがなくなるまでは抗生物質の内服も併用します。
何度も繰り返す、重症の陥入爪には手術を行います。
局所麻酔薬による注射の麻酔をした後、 食い込んでいる爪の幅2~3mmぐらいを先端から爪の付け根まで切除したあと、 爪母を薬品で3分間ほど処理して、くいこむ部分の爪が生えてこないようにします。
一般に早ければ1週間、遅くとも2から3週間で傷は治ります。
手術は入院の必要はなく、通院で可能です。