円形脱毛症は、男女の差はなく発症しますが、8%に家族内発症があります。
毛以外の症状では爪の小さな点状のくぼみができることもあります。
円形脱毛症には甲状腺疾患の合併が8%ほどに見られます。
そのほか、自己免疫性疾患や気管支喘息,アトピー性皮膚炎,軽度のアレルギー性鼻炎などを合併することがあります。
40%程度は1年以内に回復しますが、拡大して全頭型や汎発型へ移行することもあります。
近年梅毒患者数が急増しており、鑑別診断として梅毒性脱毛症の可能性も考慮すべきである。
2017年に出された日本皮膚科学会治療ガイドラインに従って治療を行っております。
限局型の円形脱毛症には、紫外線のUVBのうち、より治療効果が高い波長領域の308nmの紫外線のエキシマライトを使用したターゲット型光線治療を行っています。
1週間から2週間に1回の間隔で照射を行い、淡い紅斑が認められるまで少しずつ照射量を増量していきます。
ステロイドのローションとフロジン液を使います。
セファランチン、グリチロンなどの飲み薬を飲みます。
アトピー素因を持つ場合、抗アレルギー剤の内服をすることもあります。
液体窒素による冷却療法を行っております。
これらの治療を行っても治らない場合には、 ステロイドの局所注射またはSADBEによる局所免疫療法を行います。
日本皮膚科学会のガイドラインにおいても、 ステロイドの局所注射とSADBEによる局所免疫療法が最も推奨度の高いBとされております。
月に1度程度の頻度で脱毛部位に注射をします。
広い範囲の脱毛では外来ごとに範囲を限定して注射をします。
副作用として注射部位の皮膚が一時的に薄くなる(萎縮する)ことがあります。
セラビーム UV308 miniは、ターゲット型光線機で乾癬皮疹部や白斑皮疹部のみに適切な照射をすることが可能です。
広範囲の照射が必要な場合には、エキシマライトではなく、ナローバンドUVB 照射機器のJTRACを使用しております。
一度に照射する時間は数十秒程度で、1週間に1回程度の間隔で照射を行い、 適度な赤みが出るまで少しずつ照射量を増量していきます。
照射に伴う痛み、熱感などはありません。
SADBE療法の有効率は約90%で、他の治療で効果のない広範囲脱毛の難治例に対しても約50%と十分な効果を認める治療法です。
2010年に出された日本皮膚科学会治療ガイドラインにおいてもステロイド局注と局所免疫療法が最も推奨度の高いBとされております。
副作用として、ひどくかぶれてしまうことがありますが、その場合には治療を中止してかぶれの治療を行います。
当院では、ターゲットのエキシマライト光線療法機器である、セラビーム UV308 miniを導入しています。
紅斑の生じやすい短波長をカットする光学フィルターを搭載し、紫外線のUVBのうち、 より治療効果が高い波長領域の308nmの紫外線のエキシマライトを照射します。
掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎などに保険適用があります。
尋常性白斑、尋常性乾癬の限局性難治性皮疹、掌蹠膿疱症に対する高い有効性が報告されています。
円形脱毛症に関しても、すべての病型に対してエキシマライト治療を行うことができます。
アトピー性皮膚炎に伴う痒疹にも効果があります。
当院では、全身の半面を照射する半身型のナローバンドUVB 照射機器のJTRACを導入しています。
ナローバンドUVB療法では、広範囲の照射をしやすいのですが、半身型のJTRACでは部分照射も可能です。また、当院ではさらに限局した範囲の照射には、ターゲットのエキシマライト光線療法機器であるセラビーム UV308 miniを用いています。
ナローバンドUVB療法では、308-311nmの紫外線を選択的に照射し、免疫反応や細胞増殖を抑えることでアトピー性皮膚炎や白斑、乾癬、掌蹠膿疱症、円形脱毛症などの皮膚疾患を治療します。
保険適用で、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉症、 悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、 アトピー性皮膚炎、円形脱毛症の治療に使用することが可能です。
照射に伴う痛み、熱感などはなく、1週間に1回程度間隔で照射を行い、 適度な赤みが出るまで少しずつ照射量を増量していきます。